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保険治療の大臼歯のCAD/CAM冠(白い被せ物・詰め物)の保険適応が令和6年6月から拡大されたが・・・大丈夫なのか?
コラム
2024/08/04
令和6年6月から大臼歯のCAD/CAM冠(白い被せ物)の保険適応範囲が拡大されました。
以前は、第一大臼歯にCAD/CAM冠で用いるには、上下左右第二大臼歯が存在し、それらが噛み合っていなければいけないという条件でした。
しかし、令和6年6月から保険適応の範囲が拡大され、定められた条件下では第一大臼歯と第二大臼歯の使用できるようになりました。
令和5年の12月にCAD/CAM冠が第一大臼歯・第二大臼歯に使えるようになったと以前のブログでお伝えしましたが、
あれは、PEEK材で製作されたCAD/CAM冠で、従来の保険のCAD/CAM冠の材料とは、異なる物です。
(※PEEK冠の詳しい内容は、下記のURLから2023年12月10のブログをご参考になさって下さい。)
今回の上下大臼歯に使用できる保険のCAD/CAM冠の条件緩和で、多くの患者様が審美的には満足されるかと思います。
しかし、CAD/CAM冠には多くの問題もあり銀歯の被せ物を全て保険のCAD/CAM冠でやり替えましょうという考えには私は賛同できません。
現在と将来予測される噛み合わせとをしっかりと考えて大臼歯にCAD/CAM冠を使用するかしないかを考える必要があります。
近い将来不具合が起こるリスクが高いは低いかを診断しなければなりません。
厚生労働省も、保険診療の医療費削減のためにコストの掛かる金属の使用を減らしたいという考えがあります。
歯科医師側も、採算の合わない保険治療で使われる金属の使用を減らしたいとう考えもあります。
患者様は、銀歯よりも目立たない白い被せ物を入れたい思いもあると思います。
これらのそれぞれの立場の思惑があり今回のCAD/CAM冠の保険適応の拡大に至ったものと思われます。
私は、単純に上記の保険適応条件に当てはまるかどうかだけなく、患者様の口腔内の状態から使用可能かどうかを判断するのが妥当だと考えています。
保険のCAD/CAM冠の材質にはデメリットも多くあります。
物性の問題、硬さや摩耗性、プラークの付きやすさ、適合性、フィット調整やレジンセメントを用いた接着操作が煩雑になりやすいことなど、技術的な問題もあります。そのため予後は、歯科医師の技量に大きく左右されるのではないでしょうか。
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