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保険の白い被せ物・詰め物(CAD/CAM)は虫歯になりやすいのか?

コラム

2024/04/13

今回は、私の過去のブログでも取り上げてきた保険のCAD/CAM冠や詰め物を少し違った角度から取り上げたいと思います。
ご存じの通り、保険でも条件付きで白い詰め物や被せ物がでみるようになりました。
材質は、ハイブリッドレジンです。
この材質を簡単に言うと、プラスチックにセラミックの粒子を混ぜ合わせた強化プラスチックになります。
ハイブリッドレジンの材料(ブロック)をコンピューターで被せ物や詰め物を設計して、作り出す(製造する)のです。
このデザイン・制作製造工程がCAD/CAMシステムといわれています。

CAD/CAMシステムで製作された冠や詰め物にはいくつかの問題点があります。
ハイブリッドレジンのブロックを機械のバーで削り出して製作するので詰め物や冠の精密度がどこまで追求できるかということが大きな課題なのです。

機械は単純に、コンピューターでデザインされた冠や詰め物の形に正確に削り出すだけです。
なので、歯科技工士がコンピューター上で行うデザイン設計か歯科医師が行う形成(被せ物の形・詰め物の形に歯を削る)の精度で、CAD/CAM冠や詰め物の精度はかなり変わってきます。

今もまだよく使われている保険の銀の詰め物は、銀をドロドロに溶かして被せ物・詰め物の鋳型に流し込んで製作されるので、保険治療で必要最低限の技術でも製作物の精度はある程度は保てると私は考えています。

(もちろん自由診療で精密なセラミック治療をするのが最もよいと考えますが、全ての治療でというのは、ハードルが高くなるのではないでしょうか。)

自由診療と保険診療では、歯科医師も歯科技工士も治療歯への技術や手間、時間のかけ方が全く違うので、自由診療はかなり高い精度の治療が出来ても、保険治療では、ある程度(必要最低限)の精度になるのは致し方ありません。

一般的にCAD/CAMシステムで削り出した冠や詰め物は、複雑な形になればなるほど精度が難しくなります。
なぜなら削って形をつくるからです。
よって、被せ物より詰め物の方が精度が難しくなります。
しかし、ある一定の許容範囲の精度(隙間があっても)ならレジンセメントというプラスチック系のセメントで歯と被せ物や詰め物を接着するとその隙間は封鎖できるので問題ありません。

当院でも、CAD/CAMシステムで製作した詰め物や被せ物が保険治療でも多くなってきています。

噛み合わせの診断(CAD/CAM冠や詰め物が噛み合わせに耐えられるか)、レジンセメントの取り扱いに注意をすれば保険治療で使える場面も多くなるのではないでしょうか。

ただ、このプラスチック系のセメント(レジンセメント)の取り扱いを間違うと、レジンセメントが歯と歯の間に残る。
そうすると清掃時にフロスが引っかかったり、残ったセメントの影響で清掃しづらくプラークが付着し逆に虫歯になりやすくなる。
上記の理由でレジンセメントの取り扱いも非常に重要なのです。

※保険治療・CAD/CAMの詰め物の写真
(必要最低限の精度であれば、レジンセメントが隙間を閉鎖するので臨床的に問題は起こりにくい。)













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