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根管治療後の金属の土台は審美治療に問題を起こす。

症状の紹介

2021/08/14

根管治療(歯の根の治療)後、被せ物をする前段階として土台を入れます。
土台は、メタルコア(金属の土台)とファイバーポストコアと言われるグラスファイバー繊維の周りを樹脂で固めた樹脂製の土台が使われることが多いのです。

どちらにもメリットとデメリットがありますが、特に保険治療でメタルコア(銀合金の土台)を入れた場合は、歯が黒く変色します。
歯質の黒変は、銀の耐食性が低いために起こる現象なのです。

よく問題になるのは、審美性の高い前歯部でとりあえず今回の治療では保険治療で金属の土台と被せ物にしておくが、将来的にはオールセラミックでその歯を綺麗に被せたい場合です。

被せる歯の黒変は、オールセラミックの色の明るさに影響を与えます。また、変色が歯根にまで及ぶと歯肉も黒っぽく、暗く見えることがあります。
また歯質の金属イオンによる黒変はホワイトニングは効果が期待出来ません。

隣の天然歯の綺麗な色と黒く変色した土台の上に被せるオールセラミックの色をマッチングさせる作業が非常に難しくなります。

下の写真を参考にしてもらうとよくご理解頂けると思います。



また根管治療の不具合で再根管治療が必要な場合、メタルコア(金属の土台)の撤去はマイクロスコープ(顕微鏡)下で慎重に処置を行えば除去は可能であることが多いと思われます。(特殊なケースは除きます)

最近では、審美的な配慮もあり前歯部の根管治療後の土台は、ファイバーポストコアと呼ばれる樹脂製の土台が使われることが多くなりました。
審美的には、非常に綺麗で歯質の色にも影響を与えません。

よって、ファイバーポストコアは、審美性の高いオールセラミック修復治療やCAD/CAM冠での修復治療に必要不可欠な土台なのです。

下の写真は、土台にファイバーポストコアを用いた状態です。



しかし、ファイバーポストコアを使う前提条件は根管治療がしっかりと出来ていることが重要です。

もし根管治療の不具合で再根管治療が必要な場合、ファイバーポストコアの除去は非常に厄介です。
マイクロスコープ(顕微鏡)下で慎重に除去しないと歯に違う所に穴を開けてしまう危険性があります。

また、必要最小限の歯質削除で歯の内部の樹脂を綺麗に取り切るのに非常に時間が掛かります。
ファイバーポストコアの除去は非常にスキルの高い作業となります。

よって、しっかりとした根管治療が出来ていることが前提で土台にファイバーポストコアを用いてオールセラミック修復などの審美治療が行われることが不可欠なのです。

このことは、当院が根管治療とセラミックを含めた審美修復治療に力入れている理由の1つでもあります。




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