気まぐれブログBlog

気まぐれブログ

銀歯は時代遅れの記事について( 女性セブン 2021年4月8日号 )

コラム

2021/04/18

女性セブン2021年4月8日号記事に、「銀歯治療は、時代遅れ再び虫歯になるリスク高く、歯の寿命も短くなる」という記事があった。
ネット記事で拝見したが、この記事はかなりの違和感がある。

銀歯に関しての見解は、記事の中で「先進国では時代遅れ」と書かれていた。しかし先進国で日本のように国民皆が利用できる保険制度を使って患者様が安価で歯科治療を受けられる国はほとんど聞いたことがない。(※スウェーデンのように医療介護福祉制度がしっかりして、19歳までの歯科治療を含めた医療費が無料という国もあります。)
要は、他の先進国の歯科医が無理に銀歯を使う必要がなく、もっと良い治療方法や材料を患者様に提供し、その治療費用を頂くことが可能なのです。

しかし、日本の保険治療は使える材料や治療方法が決められておりその範囲内でしか治療を提供することができません。
日本では、患者様が治療精度の高い自由診療を望まない場合、保険診療内で銀歯も含めた治療方法を検討するしかない。
この記事の中で「いまだに銀歯を治療を行っているのは日本くらい。」とあったが、日本でも保険診療以外(自由診療)は銀歯は使わない。

また、保険治療で虫歯治療をするなら銀歯よりプラスチック(樹脂)素材のレジン修復治療の方がよいという趣旨の内容が書いてあった。
これも、非常に誤解を与える書き方で、虫歯の削った穴が単純であるならば、レジン充填で問題ないが、削る範囲を大きく複雑な形をしていると短時間で精密に詰めることは難しい。無理矢理に詰めると精度の悪い治療になり数年後にすぐ虫歯になる。

また「噛み合わせ部分をどのぐらいの範囲プラスチックで覆わないといけないのか」ということも考える必要がある。
大臼歯などの噛み合わせの力が大きく掛かる部位は、レジンの修復範囲(どのくらい覆うか)によって割れるリスクが違う。

最近のレジンの材質は、かなりよくなったが、保険治療で使うことができるレジンは決まっており、最新の非常によい材料は使うことができない。
なので精密なレジン修復治療をするなら、自由診療でしっかりと治療時間をとり、最良のレジン充填材料を選択して適合のよい充填処置を行うべきである。

レジン修復処置は、歯との適合を重視しなければ、すぐに再度虫歯になりやすいという欠点がある。
保険診療範囲内のレジン充填という時間も材料も治療方法も制約さた条件の中で、「歯との適合性」をどこまで再現できるか・・・
保険治療では、できるケースもあり出来ないケースもある。
限界があるのではないでしょうか

銀歯が時代遅れの治療と世間の皆様に紹介するのであれば、日本の国民健康保険制度による保険治療の質について取り上げるべきです。
極論を言えば、歯科治療は、精度の高い自由診療を全ての患者様が受けることが出来れば解決します。
しかし自由診療は、費用が高く治療を受けることができる患者様が限られるので、それよりも誰もが安価で受ける事ができる保険治療があるわけです。
世間一般の皆様にに偏った情報を提供する事は、それこそ患者様に混乱を招く原因になるのではないかと私は思います。



下記に私が拝見した記事のURL を貼り付けておきます。


「銀歯は時代遅れ 再び虫歯になるリスクが高く、歯の寿命も短くなる」NEWS  ポスト セブン







戻る

カテゴリーCategory
すべて
コラム
症状の紹介
そのほか
アーカイブArchive
2024-08
2024-04
2024-03
2023-12

はやし歯科医院

一般歯科をはじめ根管治療、歯や口元の見た目を 整える治療、インプラントや虫歯予防など

お問い合わせ・予約は「HPを見た」とお伝え下さい
TEL06-6992-4550

診療時間
09:00 - 12:30 - -
15:00 - 19:00 -
-

休診:土曜・日曜・祝日 ※電話での予約制