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よくある根管治療失敗の原因をお話します。

症状の紹介

2021/03/07

根管治療途中や治療後の不具合症状で悩まれている患者様が多いのではないか思います。
当院にも、セカンドオピニオン希望で多くの患者様がいらっしゃいます。
セカンドオピニオンの相談内容で、根管治療の不具合の原因は、マイクロスコープやラバーダム防湿を用いなかったから起こったのではないかと相談されることがよくあります。
しかし、もっと単純で重要な原因の場合があります。それは、仮詰め(仮蓋)の問題です。
一つ前のブログで、「根管治療を途中で放置していませんか?」という内容をお話しましたが、そこにも関連します。
そもそも、根管治療で仮詰め(仮蓋)をすると仮詰めの隙間から、治療途中の根管に口腔内細菌が侵入するリスクが伴います。
なので、出来るだけ仮詰めの回数を減らして根管治療を行う事が理想です。
海外の根管治療専門医は、自由診療で一人の患者様の治療時間を数時間とり一気に根管治療を行い、治療回数を減らします。
日本の保険治療では、自由診療のように患者様一人に長時間の治療を行う事は難しく短時間の根管治療となり仮詰め(仮蓋)の回数が増えるのです。
しかし残念ながら、保険治療範囲内での根管治療の現状は、変えることが出来ません。
なので、仮詰め(仮蓋)を強化する必要があるのです。
仮詰めの隙間から、細菌感染するリスクを減らすように強化しなければなりません。
もっと簡単に言うと仮詰めが外れたり、すり減ってなくなったりしないように工夫しなければならないのです。
具体的に、写真で説明します。

奥から2番目の歯の壁が潰れてなくなっています。
この状態で仮詰めをしても仮詰めの厚みが取れず、また食べ物などが、傾斜面に大きな面積で当たるため、仮詰めがどんどん削れたり、外れたりするリスクが高くなります。口腔内の細菌の侵入の原因となります。
この状態を改善するには、強化樹脂で失った壁を作り歯を箱形に作り上げる必要があります。



1枚目の写真とは部位は違いますが、このように歯の壊れた壁を再建し、壁で覆う必要があります。(隔壁と言います。)
また、壁の高さが重要で噛み合わせが許す限り高い方が、仮詰めの厚みが確保できます。
一般的には、仮詰めは、3~4mmの厚みが必要と言われています。
また、ラバーダム防湿をするためには、このように壁(隔壁)を作ることがとても重要なのです。
仮詰め自体も、水で固まるセメント(水硬性セメント)や粉と液を練り合わせて化学重合で固まるセメントでなければなりません。
仮詰めの封鎖性や、物性を考えてこのようなことが言えます。
口腔内は、何千億個という細菌が存在します。また、日常的に飲食もします。とてつもなく過酷な環境です。
その過酷な環境の中で、仮詰めは、根管治療途中の歯を細菌から守らなければならないのです。

仮詰めがすぐに外れたり、なくなったりすると、細菌は、根管内にいくらでも侵入してくるので、根管治療をしてもいつまで経っても治らないという原因になるのです。



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