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根管治療後に、痛みが続く又は歯を指でたたくと痛い症状が続く場合
コラム
2025/10/03
根管治療後に痛みが続く、歯を指でコンコンたたくと痛い症状が続くと悩んでいらっしゃる患者も多いのではないでしょうか。
どうして「歯の神経をとったのにどうして痛いの?」と疑問に思われるかもしれません。
それは、歯の根の周りの周囲組織(特に歯の根の先端付近)にも神経存在しその神経の損傷により上記の症状が発症している可能性があります。
通常は、1週間前後に症状は改善するのですが、全く改善しない場合もあります。
全く改善しない場合は、「神経障害性疼痛」も考えられます。
神経障害性疼痛とは、歯根の周囲組織(特に歯根膜)が過敏に反応したり、脳自体が痛みに過敏になってしまうので歯根周囲組織が回復しても痛みの信号を送り続けてしまう。持続的な痛みが続く病気です。
(下の図で青色で囲っているところが歯根膜です)
しかし、どのような割合で、この神経障害性疼痛が起こるのかは、今のところわかっておりません。
もし、このような状態に陥ってしまうと、ペインクリックでの、薬物療法の対象になります。
薬物療法でよく用いられている薬は、三環系抗うつ薬や抗てんかん薬です。
またペインクリニックの専門医の薬物治療を受けることになります。
また、神経障害性疼痛までは酷くなくても、神経を除去する処置(抜髄)や再根治療で傷ついた歯根周囲組織の痛みや歯を指でたたくと響く(打診痛)
が改善するまで、かなりの期間を有することは、臨床上よくあることです。
適切な根管治療が行われていたとしても長期間の痛みの原因である傷ついた組織が元に戻り、それを脳が正常に認識するには時間が掛かるのです。
もし適切な根管治療が行われず、根管内の汚染物質や細菌の取り残しがあれば、それが原因で痛みが続くことが考えられるのでまず適切な根管治療を行うことが最優先となります。
再根管治療を何度も何度も行われている歯は、通常の根管治療器具では除去することが出来ない感染源が存在し、それが原因で痛みが改善しないケースも考えなければなりません。
しかし根管治療が適切に行われているのに、まったく改善しない持続的な痛みが続く場合は、神経障害性疼痛を疑います。
このような歯に何度も何度も根管治療をやり直す行為は、余計に組織を傷付け状態をさらに悪化させる原因になるということを考えなければなりません。
また、痛みや感覚に繊細な患者様は、痛みを感じる閾値が低いため、余計に根管治療後の痛みが生じやすい、痛みが持続しやすいのです。
我々、根管治療専門医がもっとも診断や治療に慎重になるケースが神経障害性疼痛なのです。

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