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保険でできる白い被せ物(CAD/CAM冠)のリスク

コラム

2020/02/20

保険治療でCAD/CAM冠と呼ばれる被せ物が上下小臼歯部や下顎第一大臼歯で適用されるようになってから、臨床的にいろいろなことがわかってきました。CAD/CAM冠というのは、ハイブリッドレジンと呼ばれる強度がでるように特殊加工された樹脂材料からできているブロックから、専用機械で歯の形に削り出した被せ物です。
確かに以前から保険治療で適用されていた硬質レジンと呼ばれる樹脂の白い被せ物よりは強度がありますが、やっぱりCAD/CAM冠でも噛み合わせ部分のすり減りがどうしても起こります。
被せ物をする周囲の歯がしっかりと噛み合って、噛み合わせが安定していればそう問題は起きにくいのですが、噛み合わせが不安定な患者様や歯ぎしりが強い患者様に適用すると噛み合わせがおかしくなってしまう危険をはらんでいます。
また、歯ぎしりやくいしばりの強い患者様では、CAD/CAM冠が過度にすり減ったり、破折したり、外れたりすることがあります。
材質的に金属のような強度がないのでこのようなトラブルが起こってしまうケースがあります。
よってなんでもかんでも保険で白い被せ物(CAD/CAM冠)を被せるというのは後々、患者様自身がしっぺ返しを食らうことになるので私は保険治療範囲内でも適用ケースを選ぶ必要があると思っています。
また、CAD/CAM冠は外れにくいように特殊なセメント(レジンセメント)で接着するのですが、このレジンセメントがくせ者で、歯と被せ物を接着させる時に、煩雑な接着操作になるとはみ出たセメントが、一部除去できなくなり、残っているセメントの影響で歯肉が腫れたり、出血したり、不衛生になってしまいます。レジンセメントは、かなり気をつけて扱わないと後々トラブルが発生します。
保険でできる白い被せ物を選択する前に、メリットとデメリットを理解されてから決断された方がいいのではないかと私は思います。

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