当院で治療を受けに来られる患者様で、歯磨きはさほど悪くないのに虫歯が多数できてしまうという方がよくおられます。
単純に考えると「歯磨きをしていてもブラシが上手く歯に当たっておらず汚れ(歯こう)が残っているために虫歯になる」
と思いがちですが、そう単純なメカニズムではないのです。
実は虫歯が起こる要因は、口の中に住んでいる虫歯菌の数(ミュータンス菌やラクトバチラス菌)と歯質(フッ素をどのくらいの頻度使って歯を強くしているのか)、(今までになった虫歯の数や虫歯で抜いた歯はどれくらか)と唾液(口の中を綺麗に洗い流すための唾液量や口の中の歯が溶ける酸性を中性に戻す力はどれくらいか?)食物(飲食回数は一日何回か?間食は?)と歯全体に磨き残されている歯こう(プラ−ク)の量などを総合的に見て虫歯になり易いか、なりにくいかがわかります。
また、虫歯を削って治すべきなのか?経過観察で歯の再石灰化(自己修復)を期待するのか?などの判断材料となります。
なので、歯をしっかりと磨いているのに虫歯になりやすい方は、虫歯菌の数や歯質、唾液、食事などで問題がある場合が多いのです。
最近では虫歯予防にフッ素入りの歯磨き粉を使いましょうとよくCMで宣伝しています。
歯質を強くするという意味では確かにそうなのですが、他の問題もバランスよく解決していかないと
虫歯予防の効果は薄れてしまいます。
なんでもそうですがバランスが一番大切なののですね。